サラリーマンは仕事が選べません。
いろんな意味で選べません。
入社のときは理系か文系か、またその専攻とかで
配属先が割り振られますが、
選べるわけじゃないです。
でもこの入社時点が最も本人の意思に近い配属になり、
これ以降は本人の意思とは無関係の人事になります。
技術系の人が営業に行ったりすることは良くあることで、
技術系でも購買部門に行ったり、
製造の現場を管理する仕事になったり。
今、学生で理系の人は
「人と関わるの嫌だな。営業とか現場監督とか絶対嫌だな」
とか思ってるかもしれませんが、
そんなあなたの意思はガン無視されて配属されます。
テレビとかドラマでこういう普通の会社ってあまり取り上げられないから、
知らないと思うんですよね。
弁護士とか探偵とかならイメージ湧くんでしょうけど。
仕事に生きがいを持って巨悪に突っ込んでく様はイメージできても
やりたくない職種の職場に配属されて死んだような顔して
粛々と日々を過ごしてるサラリーマンはイメージできないよね。
選べないのは、そういう職種だけでなく、
もちろん日々の仕事も仕事相手も選べません。
もっと細かく言えば、仕事の目標も、期限も、内容も
自主的に決めた風にさせられて、上層部が納得する体裁で
決まってしまいます。
サラリーマンのやりがいとは
自分の苦手な分野で、納期も、予算も無理目の中で
頭をフル回転させて制度上の抜け穴と、根回しと、ごまかしをもって
何事もなかったかのように、完遂さたように見せる。
実態としても80%程度には完成させて事なきを得る。
そういう凌ぎのテクニックを磨くこと、
そこに価値を見い出せれば、やりがいになります。
つまりサラリーマンとは、
「仕事」ではなく「仕事の仕方」をする仕事なんだと思いますね。
したい仕事、研究や開発、営業など、したい仕事をしたい人や
したくない仕事、人の管理やルーティンワークや、したくない仕事をしたくない人は
サラリーマンとしてはいずれ挫折します。
こんなはずじゃなかったのに、俺はこんな仕事したくないって
いずれ思って、死んだような顔して働く事になります。
サラリーマンを昇進ゲームと思える人、
仕事そのものに興味はなく、その分野が苦手でも得意でも大した意味はなく、
時間と手持ち札で勝負するゲームと思える人は
大成するんじゃないかな。
昇進ゲームが悪い事とは思わないですし、
究極のゼネラリストはどんな分野でも仕事ができるんだと思います。
でも、会社はそういう所だと誰も言ってないから
経営者ですら認識してないから
仕事に情熱を持てだの、仕事を通じて社会貢献しようだの
正反対のメッセージを送り続けるから
会社の仕事で不幸になる人間が後を絶たない。
「会社の仕事なんて適当にこなせ。
これは昇進ゲームなんだから。
負けそうなら、早く逃げろ」
こういう本当のメッセージを送らないとね。