早期退職の意向を会社に伝えました

早期退職の意向を会社に伝えました。

個人面談の席上で。なかなか緊張しましたね。緊張なんかしないと思ってたんだけれど。腋から汗が垂れるのを感じました。久しぶりだったなこの感覚は。

個人面談は個別に順番に呼ばれます。時間は10分から15分。あまり長くないみたいですね。新会社への転籍後の処遇の条件を説明して終わりで、とくにもめることもなく進んでいるみたいです。

昼休み後、普通に仕事をしてると、

「次、お願い」

と呼ばれました。この瞬間に緊張しだしましたね。今日ここで早期退職を宣言するのかな、それとも話の流れで言わないまま終わるのだろうか、と考えながら応接室に向かいます。

応接室を開けると、3名います。総務課長と、本社人事担当者と、取締役です。この取締役は以前に早期退職のさぐりを入れられたその人です。

この取締役が面談相手だとは分かっていたんだけれど、やっぱり気まずいですね。早期退職宣言したらどんな顔するんだろう。でも嘘をついたことにはならないように、発言したつもりだし。

今回の面談は組織変更に伴う転籍についての説明です。この転籍で従業員の身分が入社時の会社所属から、出向先への所属に変わります。これには必ず従業員の同意が必要なので、個人別に意思確認を行います。もし転籍に同意しなければ、これまでの会社に残るか、退職することになります。これまでの会社に残ると言う選択肢は事実上ないですね。誰に対しても、これまでの会社で何か仕事があるわけじゃないから。転籍を受け入れるか、辞めるかのどちらかです。

席に着いて、個人面談が始まりました。本社人事担当者から転籍前と転籍後の個人の給料を比較した資料の説明がありました。続いて転籍時の退職金金額が書いてある資料の説明です。転籍しても一旦会社を辞めることになるので、退職金が支払われます。

ちょっと意外だったのは、転籍後は年収ベースで給料が上がると言うことでした。下がると思ってたのに。退職金も想定していたのより、多かったです。退職金て確定拠出年金の額だけじゃないんですね。全然知らなかった。

給料比較と、「転籍時」退職金の説明が終わりました。早期退職の説明がまったくありません。なぜなんだろう。

私 「説明は以上ですか?」

人事「以上です」

私 「早期退職の説明は・・・?」

取締「今回はみんなで新会社に行ってもらいたいと思ってるんで、希望した人以外には資料出さないんだよ」

私 「そうですか・・・」

「あのー、早期退職に応募しようと思ってるので、資料を見せて下さい」

ここで空気が一変しました。あー怖い。

人事担当者が鞄から「早期退職時」退職金の資料をおもむろに出してきます。なんだあるじゃん。早期退職加算金が加えられた額が書いてあります。これも想定していたのよりちょっと多かったです。

資料は見ているようで見ていない感じです。何言われるんだろうと、腋に汗を垂らしながらよく見ている振りをしています。

取締「この前話したときは、早期退職なんかしないって言ってたじゃない」

私 「はあ、そうですね・・・」(しないとは言ってないけどな・・・)

取締「やっぱり、会社変わって仕事しんどい?」

私 「早期退職については前から考えていたことなので。今の仕事の状況とはあまり関係ないです」

これは半分本当で半分嘘ですかね。早期退職を前から考えていたのは事実ですけれど、今の仕事の状況は早期退職を後押ししています。仕事量は膨大になって、理不尽さは以前より増しています。でもそんなことは言いませんけど。

取締役以外はあまり喋りません。今回は淡々と説明して終わりの予定だったのでしょう。いきなり早期退職宣言されて、引き止めていいのか、引き止めると会社的に問題があるのか、会社の立場が不明確なまま発言できないといったところでしょうか。

取締「まあ、給料の額とかもう一回見て、良く考えてみて。それから次回面談しましょう」

私 「はい」

「次回面談」。これで終わりではないようです。つまり、現時点では早期退職が認められたわけじゃないってことですね。まだどんな奇襲が待っているかも知れません。ちょっと不安ですね。

応接室を出て席に戻ります。久しぶりに緊張してあまり仕事にならない感じですね。頭が真っ白とは言わないまでも、オフホワイトぐらいになっています。次回面談ていつなんだろうと考えながら、会社の年間予定表を意味なく開いていました。

直近の説明会、今回の個人面談を通して早期退職の話は会社側から一切出てきませんでした。でも、人によっては退職勧奨みたいなのをされたのかも知れませんね。この初回の面談で転籍、早期退職等の意思を明確に持っていないと、会社の意図に流されて判断してしまいそうです。私の場合は、個人面談の時に早期退職の資料すら提示されなかったので、あやふやな感情でいたら早期退職の資料ももらわずに、そのまま転籍同意になっていたかも知れません。怖いですよね。会社のやることは。

1年前から準備して、明確な意思を持っていたから、あの時資料の要求ができたんです。それも組織変更に伴う転籍には個人の同意が必要だと言う背景の知識があったから、準備ができたんです。こういう労務の知識は誰も教えてくれません。金融リテラシーと同様に、自分の身を守る仕事以外の知識は自分で学ばなければなりません。自分の全ての時間とエネルギーを会社に捧げていると、会社にいいように扱われてしまいます。勉強する時間も、自身が成長する時間もなくなっていきます。会社から帰って、テレビ見て、休日はストレス解消して、この繰り返しだと本当に社会的に死んでしまいます。会社は従業員を守っているようで、守っていないですから。それは会社の中の人、人事部や経営層が鬼や悪魔だからではなく、会社と言う組織が労働者の搾取を目的としているから、人事部が誠実に仕事をするとそうなってしまうんですね。

また個人面談があります。まだ早期退職が認められたわけじゃないですからね。こんどは準備期間がありますから、何か引き止め工作があるかも知れません。最終出社日も決まっていません。勝手に1月末にしていますけど。最後の戦いはまだ続きます。ブログネタが増えたとポジティブに考えましょうか。