なぜ上司は無理難題を言うのか

上司の指示には無理難題が多いですね。

「できるわけないだろ」みたいな納期や量、価格があります。
当然できないので、できた風な報告書をつくって
できた振りをします。

上司はそれを受け取って、首尾よく事が進んだ風な報告を
また上位の上司に行うわけです。

最後は皆が納得して、万事OK。よかったよかった。

で、実際の仕事ができてなくて、いいのか?
問題は起きないのか?

問題は起きません。
なぜなら、もともとやる必要がなかったから。

なぜ上司はそんな、やる必要のない仕事の指示を出すのでしょうか?

上司の指示はさらに上の上司や顧客からの要求が出発点です。
その元の要求を見るとそれ程無茶な事を言っていない場合が多々ありますね。

ただその元の指示があいまいで、意思疎通が不十分な相手だと
その指示から外れないよう、想像しながらより厳しめの条件に変えて
部下に伝えます。

部下はさらに自分の部下に、納期や完成度をさらに厳しくして
その下に伝えます。

こうやって不必要に過剰なスペックの仕事ができあがります。

需要予測と在庫量の関係にブルウィップ効果と言うのがありますが、
この伝言ゲームは組織のブルウィップ効果と言えるかもしれません。

なぜこういう現象が起きるのでしょうか。

それぞれの立場で失敗を恐れ、過剰なスペックに変えて伝える。
そこにはその仕事本来の目的や成果の達成はないがしろにされ、
組織の理論、つまり組織人の保身が優先されています。
これは組織の生産性を著しく落とすでしょうね。

日本のホワイトカラーの生産性は低いと言われていますが、
こういったことに要因があるかもしれません。

この不要で無意義な仕事は、従業員の労働時間を増やし、
モチベーションを削って行きます。

仕事の成果ではなく、人間関係や立場に着目することで
働く人の時間や士気を削っているのです。

ドラッカーの言葉にもありますが、
仕事の成果に着目しましょう。
それが結果的に労働者を長時間労働から防ぎ、
メンタルを健全にすることに繋がるのです。

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