孤独についての記事がありました。
「孤独という病」は伝染し、職場を壊す(日経ビジネスオンライン)
長いので、抜粋します。
下記は、シカゴ大学のJ.T.カシオポ教授らの研究チームによる分析です。
孤独感を抱いている人は「他者をよそよそしい存在」と見がちなので、数少ない友人への不信感も強く、その孤独感と不信感に堪えきれず、残り少ない友人との関係までも断ち切ってしまう傾向が強い。
「孤独感は世界が敵対的だという感覚から始まり、社会的な脅威を警戒するようになる。孤独感を抱いている人は、他の人にネガティブな態度を取ったり自分が所属するコミュニティによそよそしい態度を取りがちになり、増々孤独感を募らせる」
孤独感を持つ人間が、「他者をよそよそしい存在と見ている」、「世界が敵対的だと言う感覚」があると言うのはその通りですね。
そうでない人はどう見てるんでしょうか。
他者は仲間で、世界は助け合っていると言う感覚でしょうか。
嫌味じゃなく、そういう人たちは幸せだと思いますね。感覚の問題ですから、事実がどうかは別の問題です。
下記は、先ほどの教授ではなく、日経ビジネスの記者による孤独が増えた原因の考察です。
なぜ、孤独が増えてしまったのか?
人間関係の希薄化が大きな要因であることは間違いない。
職場ではみなパソコンを見つめ、キーボードの音だけが鳴り響く。仕事も膨大なので無駄話をする時間もない。毎日同僚たちと顔を合わせているのに、互いに何を考え、何を悩んでいるのかを語り合う余裕もない。
人間関係の希薄さを原因としていますが、そうでしょうか。
学校や会社で毎日いじめられたり、叱責されたりしている人は「人間関係が希薄」とは呼べないです。
人間関係としては、かなり濃密です。
ここでは孤独と孤独感を同じように扱ってますが、両者は別の次元の話だと思います。
人付き合いがなくて、人間関係が希薄でも「孤独感」を持ってない人もいれば、毎日友達や同僚と顔を合わせていて、たくさん会話をしていても「孤独感」を持つ人もいます。
孤独感は人と人との近接性とは、少し違う話です。
「他者をよそよそしい存在と見ている」
孤独感を持つ人間がそう感じるのはその通りと思いますが、生まれながらにこういった感覚を持っている人間などいません。赤ん坊が母親をよそよそしい存在とは思いませんからね。
どこかに分岐点があったんでしょう。
おそらく子供時代のどこか。間違っても、会社や職場と言った大人になってからの場所ではないでしょうね。
いまさら職場で人間関係を濃密にしようなどと言う運動を起こされても困ります。
社員旅行とか、社内体育大会とか、せっかくなくなって行ってるのに、復活などさせないでください。
人間が、社会的なつながりが薄く、一人でいると言うこと自体はあまり問題ではないと思います。
保証人などの問題は別にして。
ただ、他者や社会に不信感や敵対心を抱いているのは問題です。本人も病むし、社会不安の一因にもなります。
物理的に孤独であることより、孤独感を持つことの方が問題です。
それは会社の問題と言うより、もっと手前の段階の家庭や学校の問題だと思いますね。
孤独が病なら、子供時代に将来病になるような種を植え付けられているのではないかと思います。