旅をしていると、あらゆる所でサービスを受けます。飲食店、ホテル、観光施設。こちらは客なので、ほぼ不快になることはないですね。そういった接客業で働く人たちは大変だなと思います。モノを売るだけじゃなくて、愛想の良さを求められますから。
確かに笑顔で接客されると、気分がいいものです。また来ようかなと言う気にもなりますね。これは経営者から見ると、モノやサービスの中身を変えなくても笑顔ひとつで売り上げが上がると言うことになるので、かなり重要です。だからこそ笑顔も業務の内として、労働者に感情労働を課すのでしょう。
労働になった感情の報酬は、それでも賃金なんでしょか。感情の量は測れないですし、笑顔手当みたいなのもないです。多分タダです。スマイル0円です。感情と賃金は馴染まないと言うことなのでしょう。でも本当はタダじゃない。
モノやサービスとお金を交換するように、面と向かった相手と感情のやり取りをしてないでしょうか。ビジネスかプライベートかなどに関わりなく、目の前の人と喋ると、感情のやり取りが発生するのが自然な姿なんだと思います。
それが感情労働が行われている場所では、顧客側からの反応がなく、接客側からの一方通行であったり、プラスの感情に対してマイナスの感情が返ってきたりします。こういった歪な感情のやり取りが、感情労働が負担になる原因ではないでしょうか。
笑顔には笑顔で返すのが自然な姿だと思いますが、感情は賃金にも料金にも反映されていないので、顧客側にその義務はないとも思います。でも目の前で笑顔で接客されて気持ちよくなっているにも関わらず、客がドライに受け流すのもどうかと思いますね。お金は払ってても、感情の食い逃げをしてるみたいです。スマイル0円の意味は、スマイルの料金は日本円ではなく感情で支払ってくださいと言うことかも知れません。