雇用保険給付金(失業手当)の初回説明会に行ってきました

雇用保険給付金(失業手当)をもらう人が受ける、初回の説明会に行ってきました。

この説明会は、失業保険給付金をもらう人が必ず受けなければいけない説明会です。ハローワークに行く1回目が求職の申請、2回目がこの説明会です。

説明会は、会議室で講義とビデオを使って行われます。免許証の更新のときの講習会みたいな感じですね。

会場での受付けの時に、「雇用保険受給資格者証」をもらいます。顔写真の入ったA4の厚紙です。この紙はかなり重要です。年金や健康保険の免除申請に必要で、自分が失業中であることを証明してくれるものです。

まさに「無職証明書」。働きもせず、国からお金をもらえる特権階級の証です。でもタダでお金もらう訳じゃないですからね。雇用保険を払い続けた結果、お金をもらえる資格があるから、もらうんです。CIAやMI6で、重大なミッションをコンプリートしたエージェントが、たくさん報酬をもらって長期休暇を取ってるようなものです。国からお金もらえるって相当なことですからね、何か重大な任務を果たしたんでしょうね、私は。

会場は満員で人数は5,60人くらいでした。参加している人は、若い女性が多かったですね。意外な感じだったんですが、就労比率から言うと若い女性が多いのは当たり前なのかもしれません。

説明会は2時間半くらいで、割と長かったです。年金事務所の人も来てて、無職期間は免除申請ができるので、申請した方がお得ですと説明していました。年金の手続きは、年金事務所でも市役所でもどちらに行ってもいいみたいですね。組織が違うのに、連絡は取れているようです。

説明会中、何度も言われたのが不正受給をしてはいけないと言うことでした。雇用保険給付金は、働く能力のある人が、働く意思を持っていて、かつ働いていない状態のとき支給されます。非自発的失業の状態ですね。

働いていない状態と言うのを4週に1回、ハローワークに報告しないといけません。その報告が、いわゆる「失業認定」です。雇用給付金をもらっている期間に1日でも働くと、申請する必要があります。無報酬で働いても申請しないといけないようです。この辺、気を付けないと間違えそうですね。働いて報酬をもらった場合、失業給付金は減額されますが、その分後ろに伸びるだけなのでもらえる給付金のトータル額としては変わりません。1日働けば、給付金の支給終了日が1日伸びます。前の会社や家の手伝いをした場合は、隠そうとせずに正直に言った方がいいですね。

働く意思があると言うことも、4週に1回、証明しないといけません。4週間のうち、2回求職活動をした実績が求められます。求職活動の実績とは、ハローワーク主催のセミナーの受講や、ハローワークでの就職相談です。民間の転職エージェント利用は実績になりません。会社都合退職で、支給制限のない人は初回の認定日までは求職活動は必要ありません。初めてハローワークに行った時の求職登録と、今回の初回説明会で2回の求職活動実績となるためです。初回の認定日まであまり期間が空いてないので、ちょっと不安だったんですが、大丈夫みたいです。

この働く意思の証明って難しいですよね。意思なんて心の中の問題ですから。セミナー受講や、就職相談の実績で意思の存在が証明できているなんて思えないです。ハローワークに行かなければならないのは、4週間のうち、失業認定で1回、求職実績で2回の計3回です。週1で仕事に行くような感覚かも知れません。こちらが行くと言うことは、ハローワークの職員の人もそのために対応をすると言うことです。ハローワークの職員の人の仕事と言うのは、こういう失業者への対応がほとんどなんでしょうかね。

何か無駄な気がします。働いて報酬を得ながら、失業給付金ももらうと言う2重取りの状態は厳しく取り締まればいいと思いますが、こういう本人の申請じゃなくてマイナンバーとか源泉徴収とかを利用して絶対不正ができないような仕組みにできないでしょうかね。意思の確認と言うのも、本当のところは、心の中の意思を確認することなんて不可能なので、求職活動実績を報告させるようなこと辞めてしまえばどうでしょうか。そうすれば失業者もハローワークの職員の労力も削減できます。

ハローワークの職員の労力は、もっと別の所に振り当てた方がいいと思います。労働者が不正受給をしていないかを監視することに労力を割くより、労働者が生き生きと働くことができるような情報提供や教育訓練の機会の提供をするとか、経営者が労働者を酷使しないように企業への監視を強化するとか。

労働基準監督署が、人員が少なくてブラック企業対策ができないと言っているのに、ハローワークの業務が、無意味に手続きだけを繰り返す役所仕事の匂いがプンプンするんです。監視すべきは労働者ではなく、経営者ですよ。

ハローワークに来ている人は若い女性の人も多くて、思ったより悲壮感がないです。でも、今の超売り手市場で人手不足の中であるにもかかわらず、ブラック企業やセクハラやパワハラなどで労働環境が劣悪である状態と言うのは、日本の労働市場の歪さを表してますね。本来ならそういう企業は淘汰されて行くんですけど。ハローワークに来ている人より、実際に働いている労働者の方が悲壮感が漂っていると言うのは、笑えない逆転現象です。