日大アメフット部の反則タックル問題は、ブラック企業に通じる

日本一になった日大アメフット部

日大アメフット部の監督は、27年ぶりに日大を日本一に導いたそうですね。

「日大の内田正人監督 27年ぶり優勝に導く…運動部に大きな権限」(産経スポーツ)

この反則タックルがここまで問題にならなければ、英雄のまま余生を過ごしたんでしょう。

今回の件はSNSで広がって、世間が知るようになっただけで、関学側もその試合の場では認識していなかったそうです。

おそらく、見つかっていないだけでもっと他にもあるんでしょうね。

厳しい『指導』とは

この日大の監督は厳しい指導で有名らしいです。

この監督が就任してから20人の部員が辞めたそうですね。

今回の件を見ると、相手選手にケガをさせても構わない、反則をした選手がスポーツマンシップがないと批判されても構わないと言うのが監督の姿勢です。監督の指示があったかどうかは別にして、反則の直後に諫めなかったのは認めたと言うことですから。

これから考えると、過酷な練習で自チームの選手がケガをすることも当然問題ないのでしょう。選手の自主性も認められていなさそうです。

厳しい『指導』で、肉体的に付いて行けなかったり、ケガをした選手はふるい落とされて、スポーツマンシップのような精神性も捨てて、勝つためだけに焦点を当てると勝てるのかもしれません。

勝つと言う組織の目標を達成するために、能力の低い者や、組織目標以外の精神的なものを全て捨てる。

ブラック企業に通じるものがありますね。

売上や利益のためには、社員は使い捨てる。社会貢献やコンプライアンスなどは、見て見ぬふりをする。

SNSで問題が露わになるところも似ています。問題があったとき、組織のトップが雲隠れするところも。

問題の根幹は同じ

戦う意思のないものを攻撃して、ケガをさせて、相手を弱体化させて勝つなんて、スポーツマンシップの前に人間性の問題です。

最近起きているセクハラ、パワハラ、ブラック企業、反則タックルの問題、私には問題の根幹が全部同じに見えます。いずれも組織の問題です。組織のために個人が切り捨てられ、ないがしろにされている。こういった組織の問題が方々で社会問題化しても、解決策は容易に出てこないと思います。解決されないまま、組織に身を置くことがどれほど危険なことか。自分の身を守るためには、会社を含めた組織からはできるだけ離れた方が安全ですね。