すこし遅い送別会で感じたこと

少し遅い送別会がありました。私は3月末に会社を辞めてますが、タイミングが合わなかったと言うことで、この時期に送別会を開いて頂きました。正直、どっちでもよかったんですけどね。多分、もう会わないんですよね、会社の人とは。私の早期退職の基本方針は円満退社なので、送別会の話は喜んでお受けしましたけど。

人とまとまった会話をするのは久しぶりでした。残った仕事のことで質問されましたけど、仕事の内容はパッと思い出せましたね。明日からでもすぐに職場復帰できそうです。しませんけど。今でも思いますけど、仕事そのもの、モノを作ったり、改善したりと言ったことはそれほど嫌なことではないですね。

じゃあ、何が嫌だったのか。

送別会には管理職や幹部も参加してて、上から下まで、仕事で関わった多くの人が参加していました。送別会の席で不愉快な言葉を言う人はいません。思い出話を語るほど時間が経ったわけでもないので、普段の飲み会と同じような雰囲気でした。

仕事の中身が嫌でなく、人間関係が問題だったとしたら、この人たちと関わるのが嫌だったのでしょうか。答えはイエスであり、ノーです。どんな人であれ、飲み屋で喋ってるだけなら何の問題もないです。そこに組織の力学が加わると、あらゆる方向に力が掛かって人をモンスターのように変えていきます。今の会社と言う組織は、詰まるところ人にどうやって圧力をかけていこうか、人をどうやって動かしていこうかと言うことを日々考える場所です。もちろん、会社の至上命題は利益を上げることですが、会社が大きくなればなるほど、一従業員の仕事がどう利益に繋がっていくか、だんだん分からなくなってきます。個人個人の向かいたい方向がバラバラな中では、ある一方向に組織を動かさなければなりません。その手段として手っ取り早いのは従業員に圧力を掛け続けることです。管理者があまりに人を動かす事だけに集中すると、その方向性が正しいのかどうかなどはないがしろにされ、人に精神的負荷を与えることが自分の仕事なんだと感じてきます。奴隷に鞭を打つ使用人のように。

この圧力はどの階層でも起きます。上からだけでなく、下からも横からもです。全方位的に緊張感を持ちながら仕事をしなければなりません。今の時代は、社会の成長が止まり容易に利益が出せない状態となっているので、昔と比べても気を抜いたり立ち止まって俯瞰したりする余裕がなくなっています。

会社と言う組織にいると、だんだん周りが全部敵に思えてきます。敵はライバル会社でも悪徳資本家でもなく、ごく身近な人間なんだと感じてきます。圧力を真正面から受けずうまく逃したり、なだめたり、時に服従したり、そういった感情コントロールを上手にこなさないと、疲弊して立ち直れなくなっていきます。

会社で生き残るためには、うまく立ち回らないといけないです。仕事で成果を上げるためには、セクハラもパワハラも多少は我慢しないといけない。それが会社と言うところですね。従業員に槍と盾を与えて、お互い殺さない程度に突き合いながら本来の敵と戦っているかのよう。その中で盾の弱い人は、脱落して行き、最悪死んでしまいます。

上からも下からも突かれたくないですね。耐えると言う感情を持ちながら、日々を過ごすのは何かおかしい。その解決策が、私にとっては早期退職でした。

送別会をした部屋の隣では、他の会社の人が歓送迎会らしきことをしていました。おそらくその会社にいても同じようなことを感じたんだろうなと。私には会社は向かないですね。でも会社以外の働き方ってあまり分かってないってのも事実なので。もう少し勉強が必要ですね。