無職になって2週間 ~会社で働き続けることがどれほど危険なことか~

無職になって2週間経ちました。

今は、起きて、料理して、スーパー行って、たまに役所に手続きに行って、ちょっと勉強して、寝ると言う生活です。手続きで役所に行くのは、そう頻繁にあるものじゃないので生活の大半は食事に関わることです。これまでも休日は自炊してましたが、平日にそんなことをする気力はなかったので、ずっと外食でした。それがこの2週間自炊してますね。自炊を続けるなんてできるのかなと思ってたけど、意外とできます。それに割と楽しいですね。面倒くさいけど、楽しい。食費も下げられるし、無職に自炊力は必須ですね。

曜日の感覚と言うのはまだあります。土日は、やはり何か感覚が違いますね。ずっと休みなんだけど、休日と言う感じがします。不思議ですが、金曜日になるとちょっとほっとした感じになりますね。社会から隔離して生活してるわけでもないし、長年の生活習慣は抜けないものかも知れません。もう会社行かなくていいんだから、遊びまくろうって気にはなってないです。まだ役所での手続きが完了してないのと、お金が減るからってのもありますが、何か不安なところがあってそれ程解放感に浸ってるわけでもないですね。

今の状態は、定年退職して毎日仕事がなくてどうしていいかわからない人と似たような状態だと思います。いわゆる会社人間であった人達。会社と家の往復で、趣味もなく、仕事を生活の中心に据えてきた人達。そういう人達が、会社に行かなくなったとき、どうなるのかと言うを先取りで体験してるような感覚です。

そういう人達に対するアドバイスとしてよくあるのが、趣味を見つけるとか、参加できるコミュニティを持っておくとかですが、そうではない気がします。仕事が生活の中心であった人と言うのは、仕事での高揚感や充実感が生活の中心であったのだと思います。それを門外漢の趣味を見つけて取り組んでも、充足感は得られないのではないかなと。

でも会社人間と呼ばれそうな人達がすべて、そういう仕事で充実感を得ていたのかと言うとそうでもないでしょう。休日に家族と過ごす時間のために、時間を削って働いていた感覚の人もいます。問題は、自分が何を生活の中心と置いていたのかと言うことです。何が自分にとって一番大切なことで、何に価値を認めていたのか。仕事、家族、趣味、金、本当は自分がどうしたいのか、何が欲しいのかを明確にしておくことが大事だと思いますね。

今の会社の仕組みは、建前上8時間労働、週休2日となっていますが、実際は違います。会社がブラック企業として問題化するように、人生のすべての時間を会社に注がないと社会生活が送れないようになっています。プライベートの時間や、休日は少しずつ削り取られ、睡眠や休日も自分のためではなく、もっと仕事ができるように英気を養う時間として会社のために使われます。そのブラック化した仕組みの中では、平日や休日に会社以外の時間で人生を謳歌することなどできなくなってきています。仕事の負荷が「正常」な状態であれば、仕事は生活費を稼ぐ手段と割り切ってプライベートも充実できますが、そうでない「異常」な場合、否応なしに会社人間にならざるを得ません。この状態が会社に労働の対価だけでなく、人生の全て、人間として快活に生きる命のほとばしりのようなもの全てを奪われる搾取と言う状態です。

例え会社で仕事上で充実感を感じていたとしても、その充実感を得るためには会社の設備や、人材、顧客、仕組みなどが必要です。自分の生きがいを会社に預けているのと同じです。会社での労働は、いくら定年が延長されてもいずれ終わります。そこに自分の生きがいなどと言う大事なものを預けていると、会社を辞めた途端に生きる意味すら失ってしまいます。

会社に依存すると言うこと、依存とまでは行かなくてもかなりの時間を会社に費やすと言うことがどれほど危険なことかと思います。定年後、暇を持て余して生きがいを見つけられず、知識がないまま投資をして金を失う、こういった人達は、自己責任ではあってもある意味会社の犠牲者です。会社は一生懸命働いても、サボって働いても最後には労働者をボロボロにします。だって労働者は奴隷ですから。お金で買った労働者の体や心など、どうなったって構わないですから。それは経営者が極悪人だからではなく、今の会社の仕組みがそうさせます。

会社で働き続けると言うことがどれほど危険なことか。私は、そんな危険な会社と言う組織から離れました。定年間際でなくて良かったと思いますね。頭の中は仕事中心の価値感から、まだ抜け切れていないと思います。でも抜け切る必要もないんじゃないかと。まだ無職モラトリアム期間。この期間は相当長く取ってます。働くのも、遊ぶのもどちらでも構わないんじゃないかなと思います。ただ、自分のやりがいや喜びの根幹のところを誰かに預けるなんて危険なことは、もうしません。

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