ハゲタカ第6話感想 ー付いていきたい上司などいないー

ハゲタカ第6話、日本の老舗電機メーカー「あけぼの」のレーザー開発部を狙って、バックにアメリカ軍需産業がいる日本の新興PCメーカー「FINE」があけぼのにTOBを仕掛ける話。

あけぼのの会社や従業員が、どうも浪花節だなと感じました。

FINEと裏で通じている会長と開発部員との対話の場面で、開発部員2,30人を代表する意見としての言葉。会長は開発部出身です。

「昔、会長から仕事後のビールのおいしさを教えて頂きました!」

「会長の判断なら従います!」

「会長の口から説明して頂ければ、納得します!」

こういう感覚の人って、いるのでしょうか。

ちょっと一昔前の感じがしますけど。

本当にこう思っているなら、その従業員は幸せですよね。

会社でたまたま上司になった人間が、仕事の能力も高く、人間的にも尊敬できる人だなんて。

でも、そうでない人もいるんですよね。

ある人にとっては尊敬できる人でも、ある人にとってはパワハラ上司かもしれない。

人それぞれなんです。

個人としての資質も異なるし、上司と部下の相性や割り振られた仕事内容でも変わってきます。

人間関係は一様ではないんですね。

だからこそ職場の人間関係は、属人的な相性のようなものを横に置いて、タスク中心のドライな関係をベースに置けばいいんだと思います。

その上で、互いの個性や人間性に惹かれるものがあれば、師弟関係にもつながるような濃密な人間関係を作っていくのはアリだと思います。

それをたまたま配属されただけの部署で、上司や部下、入社年度、そういう物差しで人間の上下関係を決めるのはやめて欲しいですね。

ましてや部署単位程度の数の人間がいる集団が一つの人間関係に収束してくことなんて、あり得ないし、それを前提にしないで欲しい。

付いて行きたいと思える上司と巡り合うなんて、砂漠の中で針を探すようなものです。

平成も終わろうとする2018年の今でも、日本の会社の典型的な姿としてドラマの中でこういった場面が描かれるのは、日本の会社組織の闇の深さを感じます。

もう時代は変わってて、セミリタイアなんてものを目指す人間も結構な数いるんですから。

FINEによるあけぼののTOBは、アメリカの軍需産業の贈賄疑惑が明るみになって失敗します。

会長は責任を取って辞職。あけぼのの技術がアメリカの軍需産業に渡ることはなくなりました。

これ、アメリカじゃなくて中国の軍需産業にしたらもっと熱くなったのにな。でもその界隈は、日本の会社組織以上の描けない闇があるのかもね。